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ハムストリングスの張りが腰の動きを制限する理由
ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)は骨盤の坐骨結節から起こり膝下の骨(脛骨・腓骨)に付着する太もも裏側の大きな筋肉群です。この筋肉が硬く張る(柔軟性が低下する)と骨盤と腰椎の協調的な動きである腰椎骨盤リズムが乱れ、結果として腰の動きが制限され腰痛の原因となりえます。
1.骨盤後傾と腰椎への負担増大
ハムストリングスが硬くなるとその起始部である坐骨結節を下方に引っ張ります。これにより骨盤全体が後ろに傾く骨盤後傾の状態が助長されます。
静止時(特に座位):長時間のデスクワーク等で骨盤が後傾すると腰椎の自然な前弯(S字カーブ)が減少し、腰が丸まった猫背姿勢になりやすくなります。この姿勢は腰椎や椎間板に過度な圧力をかけ、腰の筋肉(脊柱起立筋等)に不必要な緊張を生じさせます。
動作時:体を前に曲げる動作(前屈)ではまず股関節が曲がり(骨盤が前傾)その後に腰椎が曲がるというスムーズな腰椎骨盤リズムが必要です。しかし、ハムストリングスが硬いと骨盤の前傾が制限されます。その代償としてより大きな曲がりを腰椎が担う事になり、腰椎に過剰なストレスと負担がかかります。これにより腰の可動域が物理的に制限されたり痛みが発生して動作を抑制します。
2.股関節の可動域制限と代償動作
ハムストリングスは股関節と膝関節の二つの関節をまたいでいるため硬くなると股関節の屈曲の可動域が制限されます。
動作時の代償:股関節の動きが制限されると歩行、立ち上がり、物拾い等の日常動作において本来股関節が行うべき動きを腰椎が過剰に代償するようになります。例えば、股関節を使わずに腰を反ったり丸めたりして動く事で腰部へのストレスが増大し、腰の動きの自由度が低下します。
3.筋膜の連鎖による影響
ハムストリングスは筋膜を介して背中の筋肉(脊柱起立筋)や臀部の筋肉(大殿筋等)と密接につながっています。
筋緊張の連鎖:ハムストリングスの過度な緊張や硬さはこの筋膜のつながりを通して腰や背中の筋肉にも影響を及ぼし、これらの筋肉の緊張を高めます。この広範囲の緊張が腰部の柔軟性を奪い、動きを制限する一因となります。
まとめ
ハムストリングスの張りが腰の動きを制限する根本的な理由は骨盤後傾の助長とそれによる腰椎骨盤リズムの破綻にあります。硬いハムストリングスが骨盤を後ろに引っ張り、股関節の動きを制限する事で動作時の負担が腰椎に集中し、腰の可動域制限や腰痛を引き起こすのです。腰の動きを改善するためにはハムストリングスの柔軟性を高めるストレッチが非常に重要です。
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